ぶらばん!!
「はい、ではみんなそろったところで。いきなりだけど、新入生のみなさんには楽器、吹いてもらいます。」



新入生がざわつく。




「…え、まじかよ体験でも俺、音でなかったし…」



「みんなの前とかじゃないよね…??」



「わたし、やるなら自分のやりたい楽器がいい。」




意見はいろいろ。


はいはい、と部長らしき人がなだめる。



「もちろん、いきなりだから、1人ずつ音楽室Bでやるから安心して。じゃあとりあえず、順番はなんでもいいから、はい、一番前の子からどんどん…」




こくんと頷いた一番前の子は三つ編みで地味な感じの子だった。(失礼だけど)



…楽器を吹かせるのは、おおまかなことを決めるためだろう。



1人1人が早めに終わっているようで、あっという間にわたしの番だ。




「じゃ、最後の子、はいって」



「はいっ」



声を出した途端、皆がわたしを見る。




(あ、しまった、クセで)



すこし恥ずかしくなったので、足早に音楽室Bへ足を踏み入れた。
< 17 / 21 >

この作品をシェア

pagetop