6月31日
「あのね、好きです」
梓奈はこころの中で何度も復唱したその言葉を、ついに義経君の前で言うことができた。
義経君の家は団地の5階だったので、階段をかけ上がってきたから、息も切らしていた。
だけど、ちゃんと、言うことができたのだ。やった!
「は?」
義経君は玄関先で息をぜえぜえさせながら好きだと言ってくる梓奈を、怪訝な顔つきで見ていた。
「て、いうか、あんた誰」
「掛橋梓奈だよ、ほら、中学校で三年間同じクラスだった」
「知らね」
梓奈はこころの中で何度も復唱したその言葉を、ついに義経君の前で言うことができた。
義経君の家は団地の5階だったので、階段をかけ上がってきたから、息も切らしていた。
だけど、ちゃんと、言うことができたのだ。やった!
「は?」
義経君は玄関先で息をぜえぜえさせながら好きだと言ってくる梓奈を、怪訝な顔つきで見ていた。
「て、いうか、あんた誰」
「掛橋梓奈だよ、ほら、中学校で三年間同じクラスだった」
「知らね」