挨拶~ぼくらのことば~


車外に出て並んで景色を眺めた。

下関の街、関門海峡の向こうの門司港、遠くに島々も見える。
時々、船の汽笛が聞こえてくる。

何度となく彼女とともに見た景色だ。


「あー、私も卒業したらこの景色見られないだろうから、今日は目に焼きつけておこうっと」

眼下に広がる景色を見ながらポツリと呟く。

彼女も卒業したら、この街を離れることになっている。


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