doctor×resident
あの嫌がり具合は半端じゃなかった。


まあ点滴が好きな人なんて他にはいないと思うけど。



「俺、佐藤の様子みてくる」


「OKいってらっしゃーい」


カルテ整理をしている宗大に声をかければあいつはヒラヒラと片手をあげて、俺を送り出した。



ーーシャ。


処置室のドアを開ければさっきとあまり変わらなく青白い顔で呼吸を繰り返す佐藤。


「んっ、ゲホゲホ、ゴホッゲホ」



喘息か…?


そう言えばこいつ、喘息があるとかなんとか前の心臓外科の先生が言ってたっけ。



吸入器が白衣のポケットの中にあることを確認して点滴がまだ終わっていない佐藤の方を軽く叩く。



「佐藤、起きろ」


「んっ?ゲホ、ゴホ、くろ、さき、せんゲホゲホ、せ?」



「そう俺。これ吸って、楽になるから。」



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