doctor×resident
もっていた吸入器を手渡して体を起こしゆっくり吸わせればだいぶ楽になったよう。


「ゲホゲホ、ありがと…ございます」



「ん。

お前貧血ほっとすぎ。
鉄剤出すから絶対飲んで。
あと1ヶ月に1度血液検査ね。」



有無言わせない口調で言えば、彼女の目から笑顔が消える。


「うっ…わかりました。」



血液検査、ずっと泣くのかな。

でもこいつ見てるの嫌いじゃねぇかも。



そう思いながらもうそろそろ終わる点滴の雫を見つめていた。



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