doctor×resident
わたしはいま何も持っていない以前、自分が入院患者だ。


「えー何でできないの?」


「えっと…その」



口ごもるわたし。

ふと、その時遠くに黒崎先生の背中が見えた。


これで助けが呼べる。

そう思ったのに。



「……いったぁっ〜」


いじめっ子のひとり、佐藤美希が尻餅をついた。


「美希!大丈夫!?
ちょっと、栞酷いじゃない!!」


「どうかしましたか…?
って、栞…?」




美希が尻餅をついたのと同時に、真奈がおおごえをあげた。


やめてよ、何もしてないじゃん、私。



< 50 / 83 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop