國比呂少年怪異譚・第二夜
んで翌日。

解体作業現場に着く前に、業者から電話かかってきて。

『あの木箱ですけどねぇ、元住職が、絶対に開けるな!って凄い剣幕なんですよ…何でも自分が引き取るって言ってるので、よろしくお願いします』

俺は念の為、現場に着く前に現場監督に木箱の事電話しておこうと思い。

「あの~、昨日の木箱の事ですけど」

『あぁ、あれ!お宅で雇ってる中国人留学生のバイト作業員2人いるでしょ?そいつが勝手に開けよったんですわ!とにかく早く来て下さい』

嫌な予感がし、現場へと急いだ。

プレハブの周りに、5、6人の人だかり。

例のバイト中国人2人が放心状態でプレハブの前に座っている。

「こいつがね、昨日の夜中、仲間と一緒に面白半分で開けよったらしいんですよ。で、問題は中身なんですけどね…ちょっと見てもらえます?」

単刀直入に言うと、両手をボクサーの様に構えた人間のミイラらしき物が入っていた。

ただ異様だったのは…頭が2つ。

シャム双生児?みたいな奇形児いるじゃない。

多分ああいう奇形の人か、作り物なんじゃないかと思ったんだが…。

「これ見てね、ショック受けたんか何か知りませんけどね、この2人何にも喋らないんですよ」

中国人2人は俺らが幾ら問いかけても、放心状態でボーッとしていた。

日本語はかなり話せるのに。

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