國比呂少年怪異譚・第二夜
「それが何か?」

「全てリョウメンスクナが移動した地域だそうです」

「そんな!教団支部ってそんな各地にあったんですか?というか、偶然でしょう」

「僕も馬鹿な話だと思いますよ。で、大正時代の最悪最大の災害、関東大震災の日。この日、地震が起こる直前に天獄が死んでるんです」

「死んだ?」

「自殺、と聞いてますけどね。純粋な日本人ではなかった、という噂もあるらしいですが…」

「どうやって死んだんですか?」

「日本刀で喉かっ斬って。リョウメンスクナの前で。それで血文字で遺書があって…」

「何て書いてあったんですか?」

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