國比呂少年怪異譚・第二夜
亡くなる半年くらい前だったか、急にKが俺に頼みがあるといって話してきた。
「なあ、俺がもし死んだ時の為。に、ビデオを撮っておいてほしいんだ」
趣味が趣味だけに、いつ命を落とすかもしれないので、あらかじめビデオメッセージを撮っておいて、万が一の際にはそれを家族に見せてほしい、という事だった。
俺はそんなに危険なら家族もいるんだから辞めろといったが、クライミングをやめる事だけは絶対に考えられないとKはきっぱり言った。
いかにもKらしいなと思った俺は撮影を引き受けた。
Kの家で撮影したらバレるので、俺の部屋で撮る事になった。
白い壁をバックに、ソファーに座ったKが喋り始める。
「なあ、俺がもし死んだ時の為。に、ビデオを撮っておいてほしいんだ」
趣味が趣味だけに、いつ命を落とすかもしれないので、あらかじめビデオメッセージを撮っておいて、万が一の際にはそれを家族に見せてほしい、という事だった。
俺はそんなに危険なら家族もいるんだから辞めろといったが、クライミングをやめる事だけは絶対に考えられないとKはきっぱり言った。
いかにもKらしいなと思った俺は撮影を引き受けた。
Kの家で撮影したらバレるので、俺の部屋で撮る事になった。
白い壁をバックに、ソファーに座ったKが喋り始める。