國比呂少年怪異譚・第二夜
「まービールでも飲んでくれ」

そう言ってビールと料理を勧められ、俺達はその男と酒を飲んだ。

男がインドへ旅行した話や、最近の音楽の話なんかをした。

音楽がかなりのボリュームで鳴っていたので、気になった女の子が聞くと、「大丈夫だ」と男は言って、更に音量を上げた。

ふと時計を見ると、もう遅かったので帰る事にした。

男は、倉庫の入り口まで見送ってくれた。

…次の日の朝、朝飯を食っている最中に、民宿のおばちゃんが、「昨晩あの建物に行ったの?」と訊いてきた。

行ったと答えると、おばちゃんは「何もなかった?」と、しつこく訊いてきた。

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