國比呂少年怪異譚・第二夜
思い出してみれば、おかしいところは幾つもあった。

俺らが1階の倉庫みたいなところに入るまで、3階?の窓は真っ暗だった。

あの階は1つの大きな部屋しかなかった筈。

じゃあ、あの男は、俺達が来るまで、暗闇の中で何をしていたのか?

そして、あの料理。

1人で食べるには多すぎる量、だけど温かかった。

誰かが来るのを待っていたのか?

明かりを消して?

俺達以外の誰を?

そんな事を車の中で話すうちに、何だか気味が悪くなってきた。

「イヤな感じだな」「後味悪~い」なんて言いながら帰った。

帰ってみると、先に帰った筈の女の子が失踪していた。

一緒のアパートに住んでる人に訊くと、あの晩、部屋には戻ったらしい。

が、いつの間にかいなくなっていた。

部屋は荒らされたり、片付けをした様子もなくて、ただ普通に買い物に出たような感じだった。

彼女は、まだ見つかっていないそうだ。

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