國比呂少年怪異譚・第二夜
あの民宿を紹介してくれた奴(以下B)と、仕事上の付き合いで再会した時、あのでかい建物の話をした。

あれは、地元の共同倉庫兼集会所だったらしい。

でも新しい集会所ができて使われなくなったんで、しばらく放っておいたのを、外の誰かが土地ごと買った。

で、いつの間にかあの男が住んでいた。

あの男が、何をして暮らしているのかは誰も知らなかった。

「何でそんな事知ってんだ?」って聞いたら、Bが泊まった時、例の民宿のおばちゃんが話してくれたらしい。

軽い感じで喋ってたけど、あそこにはあんまり近づかない方がいいって言ったそうだ。

なんでも、地元の人達と揉め事を起こしている最中だと。

でも、Bと友達は夕暮れ時にそこへ行った。

そこでBは、倉庫の天井から魚が吊るしてあったのを見た。

スゴイ臭かったらしい。

その後、天井の方から大きな音がしたので、B達はヤバイと思って慌てて外に出た。

で、その夜、あの建物の方から、数人の男が言い争う声がしていたのが聞こえたそうだ。

Bの話はこれで終わり。

もう1つ、あの時失踪した女の子(以下S)が見つかった。

その辺の事情はCが詳しいんで直接聞いた方がいい、との事。

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