國比呂少年怪異譚・第二夜
その後、みんなで宿泊先の民宿へ向かいました。

私はどんどん気分が悪くなって、その頃には殆ど口もきかずに窓の外を眺めていました。

車を少し離れた駐車場に置いて、民宿へ。

その時、体が何とも言えない悪寒に包まれました。

風邪とかそういうのではなくて、何か冷たいモノに全身を包まれたように、表面だけが異様に冷たいのです。

民宿の前まで来た時、その感覚は最早耐え難いものになっていました。

私達の泊まる建物の横に大きな小屋のような建物があって、そこから視線のようなものを感じます。

見たくなかったのですが、ついついその建物をじっと見てしまいました。

2階の小さな窓から、誰かがこっちを見ています。

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