國比呂少年怪異譚・第二夜
それから、しばらく入院しました。

外傷性のストレス障害という事で、結構ボロボロだったみたいです。

最初は喋れなかったのですが、1ヶ月くらいで親と先生とは少し話す事ができるようになりました。

しかし、誘拐された事は話しませんでした。

みんなは何処にいたんだと聞いてきましたが、何故か話す気にならなかったのです。

物凄く怖かったのです。

話すとまた乗っ取られるような予感がして。

時々は暴れたりもしました。

今思えば父や母、周りの人達には迷惑を掛けていたと思います。

しばらくそんな状態が続きましたが、今は大分回復してあの夢も見なくなりました。

それで、母親にだけは後から誘拐の事や夢の事なんかを話しました。

母は信じてくれたようです。

時期が来たら、医者の先生や警察の人にも話した方が良い、とも言いました。

それについてはちょっと迷っています。

また入院させられるのではないか、と思うのです。

これを読んでいる人は、この話が突拍子もない話だと思いますか?

私はまだおかしいのでしょうか?

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