國比呂少年怪異譚・第二夜
最後にちょっと私の考えを書いておきます。

それは、あのヒサユキという男の事ですが、彼は元々口を利けなかったのではないかと思うのです。

それどころか体も動かせなかったのではないでしょうか?

私の体を乗っ取っていたものが、あの男の体を動かしていたのだと思うのです。

証拠とかは無いんですが、乗っ取られていた時の感じでは、普段はあの男の体を動かしていて、時々私の所へ乗り換えているように思えました。

私が完璧に操られていた時は、男は動いていませんでしたし。

でも、昼間でもそいつの一部は私の中に居たんだと思います。

今もいるのかもしれませんが、よくわかりません。

ただ、そいつがいないとあの男は生きていけないのだと思います。

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