國比呂少年怪異譚・第二夜
國人兄さんがアパートに引っ越して間もない頃で、一緒に飲む友達が居らず、気軽に入れそうな立ち飲み屋で飲むようになったのが切っ掛け。

初対面の時、そのおばさんは兄さんを見るなり悲鳴を上げ始めた。

実を言うと國人兄さんはそういうの結構慣れっこで、よく知らない人から急に叫ばれる。

叫ぶだけならまだ良いんだけど、「あの人、怖いんです。捕まえて下さい」と通報された事もあった。

なので『またかよ…』みたいな気持ちで無視していたらしい。

でも、そのおばさんは今までの人と違って話し掛けてきたんだって。

「どこから来た?」

「仕事は何してる?」

「両親は何している?」

なんて、まるで尋問のように矢継ぎ早に質問されたとか。

まあ、こんなおばさんの友達も良いかと思って、質問に答えていた。

それから暫くして、そのおばさんが「今度、私の店に来い!」と言いながら、お店のカードのような物を渡された。

兄さんは全く興味ないし、上から目線で話されてムカついていたから、帰るなりそのカードは捨てたらしい。

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