國比呂少年怪異譚・第二夜
昭雄さんは、僕の友達だ。

もう30歳過ぎたいい大人だけど、高校生の僕をガキ扱いせずに、対等に接してくれる。

というのも、ある日、僕が昭雄さん、佳奈美さん、そしてもう1人祥子(しょうこ)さんと共に、とてつもない怖い思いをしたのが切っ掛けだった。

…コトリバコ、というものを知っているだろうか。

姦姦蛇螺の時に会った葵さんや、八尺様の時にお世話になった須磨子さんのような強い霊能力者でも、きっと顔を顰めるに違いない呪物。

祥子さんの家の納屋から、そのコトリバコが出てきたせいで、僕らは危うく呪殺の憂き目にあったのだ。

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