國比呂少年怪異譚・第二夜
昔、島根県にいた、土地を治める権力者と虐げられる人々。

虐げられていた人々は権力者へ対抗する為にコトリバコを作った。

コトリバコの見た目は美しい寄木細工。

それは権力者が一目で気に入るほど洗練されたデザインだったそうだ。

 「この寄木細工はコトリバコと申します」

人々のリーダーはそういって権力者へコトリバコを納めた。

権力者はコトリバコのあまりの美しさに驚きリーダーを褒め称えたという。

権力者の娘もコトリバコを気に入って愛でていた。

しかし、不思議な事にコトリバコを受け取った日から権力者の周辺には不幸が続いた。

まず、権力者の娘が急に苦しみ出すようになり、血を吐きながら死んでいった。

娘の内臓はズタズタであったという。

権力者の妻や家にゆかりのある女子供が、同じような症状で次々に死んでいった。

不幸に見舞われるのは、皆コトリバコに接触したものばかりだった。

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