國比呂少年怪異譚・第二夜
権力者は自分の周辺に降り掛かる不幸に困惑した。

原因が全くわからなかったからだ。

しかし、あのコトリバコという寄木細工が自分の家に来てから不幸は訪れるようになったのは確かだった。

そんな事を考えていたら、どこからか、虐げられていた人々のリーダーが現れた。

権力者は言った。

「お前から受け取ったコトリバコがうちへ来てから不幸の連続だ。あの箱は一体何なのだ!」

リーダーは答えた。

「それはコトリバコの呪いです。私達を解放すれば、あなた方もコトリバコの呪いから解放されるでしょう」

権力者は村の長の言う通りにするしかなかった。

村の長は自由になったが、村でのコトリバコ製造はやめなかった。

コトリバコは寄木細工に見えるが、中には動物の雌の血で満たされたスープの中に、間引きされた子供の指や内臓などが入れられている呪いの箱であったのだ。

コトリバコは1860年代から13年間製造し続けられたという。

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