國比呂少年怪異譚・第二夜
みえない兄さんにはよく判らん感覚的な言葉が多く、

「硬さは?こう、バキンていきそうな」

「そうじゃないし、寒いとかスレてるとかもなくて。ただこう、ぞわっとするだけで、そこにあるのに何で?みたいな変な印象の」

「え、本当に?じゃあザリザリ擦ってるみたいな感じはある?」

「それもないです。するんとして、侵食もしないし、できないし」

こんな感じの意味不明なやり取りの末に、兄さんは

「……全く見当がつかない」

と首を捻っていた。

その後はもう一度、『本当に止めた方がいい』と念押しして、お開きにしたそうだ。

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