國比呂少年怪異譚・第二夜
2人が言い合ってる間にドアが開き、兄さん達を招き入れた。

……どうぞ、と通された部屋に居る奥さんを見て、思わず硬直した。

僕は、兄さんからその奥さんの写真を見せてもらった。

『巣食うもの』という話を覚えているだろうか。

体の中に得体の知れない『何か』を住まわせているBという女の子の話。

…その奥さんは、Bだった。

壁に向いて立った横顔は白目剥いて天井を見上げて、唇の端が少しだけ上がってニヤついてるみたいで、どこか壊れたような形相でブツブツブツブツ何か呟き続けてて、上手く言えないけど、その目つきが本気で怖かったと、兄さんは言う。

僕はあれ以降Bとは会っていなかったけど、会わない間に、Bはここまで『侵食』されていたのだ。

兄さんもドン引きしたけど、ケイちゃんはもう真っ青だった。

「……もとはどこに?」

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