國比呂少年怪異譚・第二夜
ケイちゃんが訊くと、男は少し疲れたような余裕のない顔で笑って。

「そこが一番まずいんだよね……解んないんだよ、気がついたら拾っちゃってて」

後で2人に聞いたら、Bに憑いてたのは、何だか複数の人霊が怨念を繋ぎにして融合したようなものだそうだ。

様子から言って、長い事生き物でなくモノに憑いていたと解る状態で、本体というか依り代というか、それがBに憑く前に居たものがある筈。

それが除霊する時に手がかりというか土台になる。

なのに、どこで取り憑かれたのか解らない為に除霊の手がかりがなく、霊能者に無理だと言われたそうだ。

男の答えを聞いたケイちゃんは、更に怯えたような顔をしていた。

「……この人、大丈夫なの?何かヤっちゃったとかないの?」

「……あー。寸前まで行った事はある、かな。今はとりあえず、ちょい前に来てくれた人が体にヨケつけて抑えてるから」

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