國比呂少年怪異譚・第二夜
夜の山って何も音がしないのな。

たまに風が吹いて木がザワザワいうぐらいで。

で、どんどん時間が過ぎてって、娘は助手席で寝てしまった。

俺も寝るか、と思って目を閉じてたら、何か聞こえてきた。

「テン(ケン?)…ソウ…メツ…」って何度も繰り返してるんだ。

最初は聞き間違いだと思い込もうとして、目を閉じたままにしてたんだけど、音がどんどん近づいてきてる気がして、たまらなくなって目を開けたんだ。

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