國比呂少年怪異譚・第二夜
白いのっぺりした何かが、めちゃくちゃな動きをしながら車に近づいてくるのが見えた。

形は『ウルトラマン』のジャミラってわかるかな…。

あれみたいな、頭がないシルエットで足は1本に見えた。

そいつが、例えるなら『ケンケンしながら両手をめちゃくちゃに振り回して身体全体をぶれさせながら』向かってくる。

めちゃくちゃ怖くて、叫びそうになったけど、何故かその時は『隣で寝てる娘が起きないように』って変なとこに気が回って、叫ぶ事も逃げる事もできないでいた。

そいつはどんどん車に近づいてきたんだけど、どうも車の脇を通り過ぎていくようだった。

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