國比呂少年怪異譚・第二夜
Bに巣食ってるモノは、とにかく自分だけの都合でBの中に居座ったり顔を出したりする訳で、ひょっとしたらBから何かを奪ってるのかもしれない訳で。

いつか自分の都合でBをぶち破って出て行ったりするかもしれない訳で、その時には周りにも影響するかもしれない訳で、しかもBは本気で何ひとつ全く気づいていない訳で。

「放っとくしかないんですよね」

そう言って國比呂は溜息をついた。

「井戸から出てきた方も、凄かった。神様が最悪の状態になったみたいな感じだった。並みの霊能者とかじゃ負けちゃうだろうって思うくらいの奴だった。あんなのと渡り合える、Bの『あれ』も、どうせ何やってもどうもできないですよ」

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