國比呂少年怪異譚・第二夜
兄は、ワクワクした様子だった。

「最初俺が見てみるから、お前は少し待ってろよー!」と、張り切って双眼鏡を覗いた。

直後。

「……」

急に兄の顔に変化が生じた。

みるみる真っ青になっていき、冷や汗をだくだく流して、遂には持ってる双眼鏡を落とした。

僕は、兄の変貌ぶりを恐れながらも、兄に訊いてみた。

「何だったの?」

兄はゆっくり答えた。









「わカらナいホうガいイ……」








既に兄の声では無かった。

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