國比呂少年怪異譚・第二夜
僕の事で?

いや、違う。

よく見ると、兄だけ狂ったように笑いながら、まるであの白い物体のようにくねくね、くねくねと乱舞している。

僕はその兄の姿に、あの白い物体よりも恐怖感を覚えた。

家に帰る日、祖母がこう言った。

『兄はここに置いといた方が暮らしやすいだろう…あっちだと、狭いし、世間の事を考えたら数日も持たん…うちに置いといて、何年か経ってから、田んぼに放してやるのが一番だ…』

僕はその言葉を聞き、大声で泣き叫んだ。

以前の兄の姿は、もう無い。

また来年実家に行った時に会ったとしても、それはもう兄ではない。

何でこんな事に…。

ついさっきまで仲良く遊んでたのに、何で…。


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