國比呂少年怪異譚・第二夜
じいちゃんちの居間。

「ねぇ、じいちゃん…」

お茶を飲みながら寛いでいるじいちゃんとばあちゃんに、話しかける。

「僕、八尺様に魅入られたかも知れない…」

言った途端、2人の動きが止まった。

いや、本当にぴたりと止まった。

その後、

「いつ見たっ?どこで見たっ?」

じいちゃんが怒ったような顔で質問を浴びせてきた。

じいちゃんの気迫に押されながらもそれに答えると、急に黙り込んで廊下にある電話まで行き、どこかに電話をかけ始めた。

引き戸が閉じられていた為、何を話しているのかは良く分からなかった。

ばあちゃんは心なしか震えているように見えた。

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