國比呂少年怪異譚・第二夜

下に降りると、父さんも来ていた。

じいちゃんが外から顔を出して「早く車に乗れ」と促す。

庭に出てみると、どこから持ってきたのか、ワンボックスのバンが1台あった。

そして、庭に何人かの男性がいた。

ワンボックスは9人乗りで、中列の真ん中に座らされ、助手席に須磨子さんが座り、庭にいた男性も全て乗り込んだ。

全部で9人が乗り込んでおり、八方全てを囲まれた形になった。

「大変な事になったな。気になるかもしれないが、これからは目を閉じて下を向いていろ。俺達には何も見えんが、お前には見えてしまうだろうからな。いいと言うまで我慢して目を開けるなよ」

右隣に座った50歳くらいのオジさんがそう言った。