國比呂少年怪異譚・第二夜
それでも流石に7人もの男が今の今、という訳にはいかず、また夜より昼の方が安全と思われた為、一晩部屋に閉じ込められたのである。

道中、最悪ならじいちゃんか父さんが身代わりになる覚悟だったとか…。

そして、先に書いたような事を説明され、もうあそこには行かないようにと念を押された。

家に戻ってから、じいちゃんと電話で話した時、あの夜に声をかけたかと訊いたが、そんな事はしていないと断言された。

――やっぱりあれは…。

改めて背筋が寒くなった。

八尺様の被害には成人前の若い人間、それも子供が遭う事が多いという事だ。

まだ子供や若年の人間が極度の不安な状態にある時、身内の声であのような事を言われれば、つい心を許してしまうのだろう。

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