國比呂少年怪異譚・第二夜
姦姦蛇螺(かんかんだら)
小中学の頃は田舎もんで世間知らずで、特に仲の良かったA、Bと3人で毎日バカやって、荒れた生活してたんだわ。

俺とAは家族にもまるっきり見放されてたんだが、Bのお母さんだけは必ず構ってくれてた。

あくまで厳しい態度でだけど、何だかんだ言ってBの為に色々と動いてくれてた。

…そのB母子が中3のある時、かなりキツい喧嘩になった。

親戚の國比呂って奴が遊びに来ている時だったかな。

内容は言わなかったが、精神的にお母さんを痛め付けたらしい。

お母さんをズタボロに傷つけてたら、親父が帰ってきた。

一目で状況を察した親父は、Bを無視して黙ったまんまお母さんに近づいていった。

服とか髪とかボロボロな上に、死んだ魚みたいな目で床を茫然と見つめてるお母さんを見て、親父はBに話した。

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