國比呂少年怪異譚・第二夜
あれから一週間経ったが、娘はまだ住職のとこにいる。

毎日様子を見に行ってるが、もう娘じゃないみたいだ。

ニタニタ笑って、何とも言えない目つきで俺を見てくる。

早く元の娘に戻って欲しい。

遊び半分で山には行くな。

今預かってくれてる住職が霊的にどの程度のもんなのかわからんから、それも迷ってる。

実家の両親とかは色々当たってくれてる。

今のところは住職頼みだ。

あの夜、住職の所にいた少年は、元々寺の子ではなく、その筋ではかなり有名な『天野』という家系の子で、そこの家系ならば何とかしてくれるかもしれないという事なのだが、如何せん行方が分からない。

今は実家の方に帰ってしまったそうだ。

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