國比呂少年怪異譚・第二夜
ただ、最も語られてる説としては、生き残った4人が巫女の家で怨念を鎮める為のありとあらゆる事柄を調べ、その結果生まれた独自の形式ではないか…という事らしい。

柵に関しては鈴だけが形式に従ったもので、綱とかはこの時の管理者によるものだったらしい。

「うちの者でかんかんだらを祓ったのは過去に何人かいるがな、その全員が3年以内に死んでんだ。ある日突然な。事を起こした当事者も殆ど助かってない。それだけ難しいんだよ」

ここまで話を聞いても、俺達は完全に置いてかれてた。

キョトンとするしかなかった。

だが、事態はまた一変した。

「坊ちゃん、どれだけやばいものかは何となくわかったでしょう。さっきも言いましたが、棒を動かしてさえいなければ何とかなりました。しかし、今回は駄目でしょうな」

「何とかしてやれないでしょうか。どうかお願いします」

國比呂は引かなかった。

一片たりとも國比呂のせいだとは思えないのに、自分の責任にしてまで頭を下げ、必死で頼み続けてた。

でも泣きながらとかじゃなくて、何か覚悟したような表情だった。

「何とかしてやりたいのはわしらも同じです。しかし、棒を動かした上であれを見ちまったんなら……お前らも見たんだろう。お前らが見たのが大蛇に食われたっつう巫女だ。下半身も見たろ?それであの形の意味がわかっただろ?」

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