甘い言葉の甘い罠


***


「…そうだ、スマートフォン…」


言って手を動かした。


「あっ…そこは」


「あっ!?ごめん」


腰の辺りに手が伸びたので慌てる私。


おかしくなりそうだ。
いつまでこうしていなくてはいけないのか。


「………すき」


「えっ?」


もういい。


どうせもう謹慎で、そのあとは異動か何かの処分で会うこともないだろう。


ならいっそ。
けれど。


「好きです…あなたが」


先に言葉を発したのは松嶋さんだった。


「えっ…?」


唇が。
塞がれた。


暗く狭い空間の中、熱い濃厚なキスを交わした。


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