甘い言葉の甘い罠
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「…そうだ、スマートフォン…」
言って手を動かした。
「あっ…そこは」
「あっ!?ごめん」
腰の辺りに手が伸びたので慌てる私。
おかしくなりそうだ。
いつまでこうしていなくてはいけないのか。
「………すき」
「えっ?」
もういい。
どうせもう謹慎で、そのあとは異動か何かの処分で会うこともないだろう。
ならいっそ。
けれど。
「好きです…あなたが」
先に言葉を発したのは松嶋さんだった。
「えっ…?」
唇が。
塞がれた。
暗く狭い空間の中、熱い濃厚なキスを交わした。