心ときみの物語

そして今日、ふたりを同じ時間に呼び出して、
お互いに空いた口が塞がらないって感じ。

そんな空気の中、俺はふたりの間に入ってパンパン!と2回手を叩いた。


「単刀直入に言うと、縁を切ったら自分もその相手も無関係になるわけだから。どっちかの縁を切れば成立するっていう話なんだけど理解できてる?」

つまり、両方切るのは無意味だから、切るほうか切られるほうかをこの場で決めてくれってこと。


「それなら、私の縁を切ってください!」

そう名乗り出たのは雪乃。


「佳苗に対して迷惑がかかるほどのこの依存をどうにかしてほしいんです。じゃないと私、佳苗に嫌われる。嫌われてからじゃ遅いんです……」

「嫌いになるわけない!」

次に叫んだのは佳苗。

同じ色の涙を流して、お互いに向かい合う。
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