空と君とダイヤモンドと
「あれ、瑛梨奈」



バタバタと足音がしたかと思ったら良基だった。



「良基どうしたの?」


「カットバンくれー!」


「え?けが?」



あたしは救急箱を棚から出す。



「ワカが転んだ」


「え、あの人転ぶとかあるの!?」


「瑛梨奈のこと考えてたんだろーなー」



良基がくすくす笑ってる。



「んな事言ってなくていいからさっさと持ってく!」



良基の手にカットバンと消毒液を乗せる。



「そんな照れなくてもー」


「照れてないっての」



良基を追い出して洗濯の続きに戻る。



なにやってるのよ。
バカワカ。

あたしのことなんて眼中にいれないでよ。
ワカがあたしのこときにしてくれるから
ワカに頼っちゃう。
ワカのこと好きでもないのに。
頼ってばかりじゃダメだと思うんだ。

あたしもなにか与えないと。
何を与えれるんだろ。
あたしはワカに。
もらってるだけのものを返せるのだろうか。

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