空と君とダイヤモンドと
「じゃあ応援頼むな」



彼女の頭をポンっと叩いて球場に入る。

あたしたちと応援席の入口は別になっていて
あたしちは関係者口から入るようになっている。



「さっきの子…」


「あー。ごめんな、なんか瑛梨奈に挑戦的だっただろ?」


「ううん」



なんであたし嫌だったんだろう。
あのこと話してるの。

べつに可愛くたってブサイクだって
誰と話してようがあたしには関係のないことなのに。



「なんか最近…」


「ん?」


「俺自分の気持ち溢れちゃってんな」



ワカの言葉に思わず転びそうになる。



「わっ」


「気を付けて」



あたしを後ろから支えてくれたのは
ワカじゃなくて塁くんで。



「塁くん…」


「相変わらずドジ」



塁くんの言葉にそんなドジだったかなぁと疑問を持つ。



「妬けるなー」


「…ワカ」


「だいたいなんでいまいんだよ。俺と話してんのに」



不貞腐れて言っているワカはかわいいと思う。

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