空と君とダイヤモンドと
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なぜあんなことを言ってしまったのか。



『俺のこと好きなわけじゃないし、俺と付き合えないくせにそれって酷だよな』



そう言った時の瑛梨奈の顔が頭から離れない。
あんなこと言うつもりじゃなかった。

だいたい自分が望んで片思いをしてるんだ。
アイツにはいつだって塁さんって想い人がいて。
俺がもしも北海道で生まれ育って。
いつだか夏のキャンプであったやつみたいに
小さい頃から知ってたら俺のこと好きになってくれていたかもしれないとかいうどうしょうもない考えまで出てくる。


出会って1年が経って。
俺の想いは小さくなるばかりかどんどん大きくなってく。
止まることを知らねぇんだ。



「最近、お前と瑛梨奈一緒にいなくね?」



ある日の授業後、良基が不思議そうに聞いてきた。



「あーそうだな…」


「喧嘩?」


「喧嘩のほうがまだいいかもな」



喧嘩なら。
謝れば済む話だ。

なんて言ったらいいかわかんない。

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