空と君とダイヤモンドと
「なんなんだよー。お前が瑛梨奈といないおかげで架純もこっちこねぇじゃん」



俺が始まりだった。
瑛梨奈はあの次の日も普通に話しかけようとしてくれてた。
でも、俺がそれを拒否したんだ。


もう部活での必要最低限なことしか話してない。



「だいたい長すぎね?」


「そうか?」


「だって、春季リーグもう終わるんだ?」



そうだ。
俺らがこうなったのは春季リーグの初戦だよな。
そんな春季リーグも明日で終わろうとしてる。


あれは4月のはじめだったのに。
もういまは5月が終わろうとしてる。



「過ぎんのはえーな」


「まぁな。ぼーっとしてたらあっという間だろ?いいのかよこのままで」



そんなの…



「いいわけねぇだろ」



いい加減覚悟しなきゃ。
俺以外を見てるあいつのそばにいるって。
付き合えなくたっていいから瑛梨奈のそばにいるって。



「俺何やってんだろ」



あの日の瑛梨奈の顔ばかりがちらつく。

< 133 / 533 >

この作品をシェア

pagetop