空と君とダイヤモンドと
「行こ?」



塁くんが歩き出す。



「いや、あたし…あの…」



塁くんと一緒に帰れるのは嬉しい。
でも、塁くんと一緒だと苦しい。

ああ、そうか。
ワカもこの気持ちなのか。
あたしは自分が苦しいとおもってることをワカにさせているんだ。



「こいつ今日俺と帰るんで」



急に腕を掴まれた。



「ワカ?」



腕に重みを感じてみると、ワカが息を切らして立っていた。



「ほら、帰るぞ」



ワカが腕を掴んだまま歩き出す。



「あ、うんっ」



突然のことに頭がついていかない。



「断るならさっさと断れよ。つーかなんで塁さんと一緒にかえんねーの?」



ずんずんと歩きながらワカが話す。



「付き合えないのに一緒にいるのが辛いから」


「は?」



あたしの言葉にワカが振り向く。



「だからワカにもそういう思いをさせてたのかなって」


「あー…」


「そうだったらごめんね。もうむやみに話しかけないようにするから…」

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