空と君とダイヤモンドと
「ワカ先輩の誕生日、このキャンプの最終日ですよ」


「知らなかった…」



最終日は毎年同じ日だから。
去年の最終日もワカは誕生日だったんだ。
あたしはあの時塁くんといい感じになりかけていたんだよね。
ワカの誕生日なんて気にしたことがなかった。



「なんで、こんなに何も知らない人が…」


「え?」


「あたしのほうが絶対ワカ先輩に相応しいです!」



あたしをキッと睨む。



「このキャンプの最後まであたし毎日来ますから!負けませんから」



睨んだままライバル宣言されたけど。


あたしは…



「負けるも何もあたしはワカのこと好きじゃないんだけど…」


「…え?」



彼女は拍子抜けしたようにへなへなと座り込む。



「あたしてっきりあなたも好きなのかと思ってました」


「あたしにとってワカは大事な友達だよ」


「そうなんですね…。じゃあ、ワカ先輩が見る女の子をあたしに変えさせればいいだけですね!ワカ先輩に毎日アピールするからっていっといてください!」



颯爽とグラウンドから走り去る。

< 141 / 533 >

この作品をシェア

pagetop