空と君とダイヤモンドと
「まぁ、初めてなんだもんね?」


「…うん。やっぱさワカは慣れてるのかな?そのあとも普通に話しかけてきたけど、やっぱ、あたしには無理だよ…」



境遇が違いすぎるのかもしれない。



「ワカは高校時代結構遊んでたってお姉ちゃんが…ってごめん」



架純が焦ったように言うのをやめる。
塁くんの彼女だから気を遣ってくれてるんだろう。



「いいよ。気にしないで」


「瑛梨奈はワカのことどう思ってんの?」


「すっごく大事には思ってるけど、恋人にはなれない。でも、キスされてからずっとワカのこと目で追っちゃう…」



そんなつもりないのに。
気づいたらワカを見てしまってる。
目が合ったらすぐに逸らしてしまうけど。



「ワカの唇見ちゃう…」


「またしてほしいの?」



架純がクスっと笑う。



「そんなんじゃないよぅ…」



あたしがキスをしたいのはただ1人だけだよ。
それなのになんでだろう。

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