空と君とダイヤモンドと
「瑛梨奈がそう言うなら言わないけど、いつかは知ると思うよ?」


「うん。それでも、余計な心配かけたくない」



もうすぐ秋季リーグがはじまるから、練習に集中してほしいし。
あたしとワカは順調だから荒波を立てたくない。



「わかったよ。塁くんサイドで知る可能性高いからその時はちゃんとするんだよ?」


「わかってる。ワカを傷つけることだけはしないから」



こんなにあたしを想ってくれる人は他の誰でもない。
ワカなんだ。
傷つけたくなんかない。

だから、いま感じたこの違和感はしまい込むんだ。
あたしは決めたの。
ワカについてくって。



「瑛梨奈!部活行こうぜ!」



講堂からワカが出てくる。



「ワカ!行こう!じゃあね、架純」


「うん。また明日ね」



ワカとどちらからともなく手を繋いで歩き出す。



「架純と何話してたの?」



ワカの言葉にドキリとする。
でも、言っちゃ行けないと思う。
もしかしたらもう知ってるのかもしれないけど。

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