空と君とダイヤモンドと
「あたしだけ?」


「え?」


「楽しみだったの…」



こんなこと言いたいわけじゃないのに。
口が勝手に動く。



「…ごめん」



ワカからの謝罪が聞きたいわけじゃなかった。
欲しい言葉をどうしてくれないのかな。
いままでだったらワカはいつも欲しい言葉をくれていた。



「塁さん」


「え?」



急にワカの口からでた名前に立ち止まってしまう。
最近は思い出さないように制御してた。
あの、別れたことを知った日から。
思い出してしまっては見てしまってはダメな気がして。



「別れたって知ってた?」


「彼女と?」



あたしは何も知らない振りをして聞く。
〝別れた〟なんてそんなの彼女しかいないのに。



「そう。涼香さんと」



そう話すワカはある一点を見つめてた。



「え…」



ワカが見ている方向に一人の女の人がいた。
どこか出みたことがあるような女の人。

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