空と君とダイヤモンドと
「もうさ、来年のドラフトでは塁さんたちなんだよ。早いよなぁ」


「ほんとだねぇ」



毎年10月にドラフト会議があって。
そこでプロ野球選手になれるかがきまる。



「再来年は俺らかぁ…」


「ワカなら選ばれそうに気がするよ」



お世辞じゃない。
ワカはマスコミにほんとに注目されていて。
本当に野球の素質があるってこういう人のこというんだって思う。



「まずさ、それまでに優勝しねぇとな」


「そうだねぇ」


「優勝したらさパレードあるじゃん」


「うん」


「あれ、瑛梨奈に体験させてやりてぇし、優勝絶対するから」



ワカの笑顔はキラキラしてた。
野球のはなしをするワカはいつも輝いてて。



「楽しみにしてる」


「これが高校なら、瑛梨奈を甲子園に連れてくとか言ってんだろな」



甲子園かぁ。
高校の野球部なら誰もが目指す世界。



「高校んときはあいつが連れてってくれるとか言ってたと思うと悔しい」



ワカが言うのは星那のことだろう。

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