空と君とダイヤモンドと
「ふふ。ワカしかそんな事言ってくれるの人いないもん」


「そんなことはないと思うよ?あ、映画館ついたよ」



ワカと話しながら歩いていたらあっという間に映画館にいた。



「これ、ワカと見たかったんだ」


「ん。俺も」



あたしたちが指した映画は同じ映画だった。



「なんかこれ俺らみたいじゃん?」



ワカと考えてたことが同じできゅうっと胸がなる。
今ではわかる。
これがなんなのか。
ワカを好きだって気持ちがあたしにあるってわかってるんだ。

だから、今日はちゃんと伝える。
クリスマスぐらい素直にならないとね。



「あれ?」



ふと前の方を見た時に塁くんのような後ろ姿を見かけた。



「どした?」


「ううん。なんでもない」



あたしはそのまんまチケットを買う列に並ぼうとする。



「買ってある」



ワカに腕を掴まれる。



「え?」


「絶対これがよかったからもう買っといた」



チケットをひらひらさせる。

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