空と君とダイヤモンドと
「塁くんはなんで別れたんですか？」


「え？」



あたしの質問に目を丸くする。
聞いてはいけなかったんだろうか。



「聞いちゃダメでした？」


「ううん。大丈夫。他に好きな人が出来たからだよ」



高校の頃から思いあっていた2人でもこうなってしまうなら
あたしとワカの歴史なんて浅すぎるから。



「涼香さんのこと好きじゃなくなったんですか？」


「涼香のことは好きだよ。すごく」


「じゃあ…」



なんで好きな人なんか。



「でも、それ以上に好きって思える人に出会っちゃったからさ」


「…そうなんですか」



好きだけど。
ほかの人がいいってなってしまうものなのか。
でも、涼香さんはまだ幸せなほうだ。
好きなままでいてくれるんだから。
あたしはワカにもう好きじゃないって言われてしまっている。



「他に好きな人ができてもいい。自分の事も好きでいて欲しいって思うのはいけないんですかね」



別に想い人ができるのはしかたない。
でも、自分のことも想ってほしいと思う。

< 220 / 533 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop