空と君とダイヤモンドと
「邪魔をしないでってことじゃなからね?」



あたしの考えを悟ったのか優しそうな顔をする累くん。



「え?」


「その時になったらわかるよ」



どういう意味なのだろう。
あたしはたぶんずっと累くんが好きだ。
そしてワカのことも。


累くんにもしも振られたとしても、もういまは話を聞いくれていたワカがあたしのそばにはいないんだ。

わかってる。
もしそうなったら1人にならなきゃって。

でも、今はまだ。
今だけは。



「その時まではとりあえず一緒にいてくださいね」



累くんの優しさはあたしが独り占めするの。
他の子なんかにあげない。



「あ、そうだ累くん」


「ん?」


「今週末空いてますか?」



今週末は2/14バレンタインなんだ。
去年はあげられなかったバレンタインチョコ。
今年は累くんにあげたい。



と考えらたところで去年のバレンタインのワカを思い出す。
もう、思い出したくなんかないのに。
楽しかった日々はいつまでも頭に残る。

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