空と君とダイヤモンドと
「言いたくなっちゃったんだもん」


「お前ばかだろ。つーか俺いないとこで言えよな」



ワカがあたしの目をぐっと見つめる。



ワカの真剣な顔に目が逸らせなくなる。



「…ワカ?」


「俺と付き合えって言ったじゃん。俺」


「…だから付き合わないって」


「だとしても俺の前でほかの男話すんな。ムカつく」



鋭い目つきであたしを捉える。



「ムカつくって言われても…」


「わかんねぇ」



ワカがその場に座り込む。



「ワカ?」


「なんでこんなムカつくのかわかんねぇ」


「振られたことないからじゃない?」



あたしの言葉にワカが顔をあげる。



「それだ。別にお前が好きなわけじゃない!」



急に満面の笑顔になる。


そんなに意気揚々と〝好きじゃない〟宣言しなくたっていいじゃない。



「あたし塁くんと付き合えるように頑張る」


「ダメだったら俺がもらってやるよ」



あたしの頭を撫でる。



まずは、頑張ってみよう。
ワカも味方だし。たぶん。

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