空と君とダイヤモンドと
「瑛梨奈」
ワカがボールを手にしてあたしの前にやってくる。
「ワカ。やったね」
「何、お前泣いてんの?」
くいッとあたしの流れ落ちる涙を指で触る。
「だって。嬉しいから」
「まぁ、俺も感動してるけどな」
「だよね」
ワカもきっと思ってることは同じ。
1年のときのこの舞台を思い出してるはず。
「瑛梨奈がいるからここまでこれたんだよ。これお前が持ってろよ」
あたしの手にボールを乗せる。
「これは、ワカの!」
「いいんだ。瑛梨奈に持っててほしい。瑛梨奈がいたから俺はここまでこれたって思ってる」
「あたしはなにも…」
ウィニングボールって大事なものなのに。
しかも優勝を決めたボール。
そんな大事なものをあたしなんかが持っていていいのだろうかと不安が募る。
「持っててやりなよ」
ポンっと頭を叩かれる。
「塁くん」
「ワカの気持ち受け取ってやって」
塁くんがこんなふうにいうとは思わなかった。
少なくとも最近の塁くんはワカとこんなふうに話すのをよくは思ってなかったはずだから
ワカがボールを手にしてあたしの前にやってくる。
「ワカ。やったね」
「何、お前泣いてんの?」
くいッとあたしの流れ落ちる涙を指で触る。
「だって。嬉しいから」
「まぁ、俺も感動してるけどな」
「だよね」
ワカもきっと思ってることは同じ。
1年のときのこの舞台を思い出してるはず。
「瑛梨奈がいるからここまでこれたんだよ。これお前が持ってろよ」
あたしの手にボールを乗せる。
「これは、ワカの!」
「いいんだ。瑛梨奈に持っててほしい。瑛梨奈がいたから俺はここまでこれたって思ってる」
「あたしはなにも…」
ウィニングボールって大事なものなのに。
しかも優勝を決めたボール。
そんな大事なものをあたしなんかが持っていていいのだろうかと不安が募る。
「持っててやりなよ」
ポンっと頭を叩かれる。
「塁くん」
「ワカの気持ち受け取ってやって」
塁くんがこんなふうにいうとは思わなかった。
少なくとも最近の塁くんはワカとこんなふうに話すのをよくは思ってなかったはずだから